月には昔から神秘的な意味づけがされてきました。
月の満ち欠けが人間の行動に影響を与えているのではということもいわれてきました。例えば満月の夜に狼に変身するという狼男の伝説は有名です。
ということからのでしょうか?「満月の夜=怒り」や「満月=興奮状態が起こる」という図式が存在していることは確かで、多くの方が知るところです。
さらに「満月」の日はイライラするという方の声もよく耳にします。しかし、月の満ち欠けと私たちの体調・感情の関係については、科学的・医学的に調査解明された事例はほとんど無いのです。
この近くて未知の不思議な存在「月」から感情の揺れを探ってみましょう。
1 月から起こされる自然のリズム
月の満ち欠けで明らかに影響を受ける自然現象が存在するのをご存知でしょう。それは「潮の満ち引き」いわゆる「満潮・干潮」というものです。
潮位とは、主に月と太陽の影響を受けており、とりわけ地球に一番近い月の引力の影響が一番大きいのです。
月の満ち欠けは地球・月・太陽の位置関係で変わるため、これと潮位は密接な関係があるのです。ただし、満月の日だから満潮、みたいな分かりやすい関係性ではなく、満潮と干潮は日々時々刻々と変化していて一定しません。
ちなみに満潮・干潮と満月・新月の関係については気象庁のサイトで確認できます。
2 月と人間のリズム
このように月が、地球に影響をもたらしていると説明できる現象がある一方で、月の満ち欠けと人間の体調・感情の関係についてはいまだ謎めいていて、解明はされていないのです。
確かに人間をはじめ、あらゆる生物は月の引力の影響を受けて生きています。しかし、月の満ち欠けによる引力の変化が、例えば細胞レベルで何かの相互作用を起こすことで、体調や感情に影響しているという確証は、現在のところありません。
しかし、科学的に解明されていないくても、月の影響を否定してしまうということはできないでしょう。科学的には表せないかもしれないですが、この世にはまだ科学の及ばない世界が広がっていると考えられなくもないでしょう。
3 人のからだに潜む月
人とからだや、精神面とのつながりを表そうとするとき、数年前までは少しオカルト扱いされる部分もあったりもしました。
近年では、ホリスティック医学(生命まるごとの医学といえる。すなわち、からだだけでなく、心、精神、環境といったものまで、まとめて、人間と生命をとらえて医学を考え、それを医療の基本姿勢としていく根本原則)が世の中に浸透してきたこともあり、この分野の医師も取り組みはじめた現状があります。
3−1 中国医学からの月との関連
東洋医学では、古くより人体を「小宇宙」として捉える考え方がありました。人間が自然の一部であるという考え方も当然のようにありました。
これは、人間と大いなる宇宙との調和を説いた老荘思想から始まっています。私たちが、日常使っている漢字は、中国から伝来したものです。ご存知の通り、内臓やからだの部位を表す文字は、ほとんど肉月か月の字を含みます。
肝臓・膵臓・腎臓・脂肪・肌・脈・・・・
これ以外にもまだ沢山あります。漢字を生み出した漢民族は、おそらく月と人間との深い関わりを知っていたのだろうと言われています。
3−2 人間のからだと月
実際のところ、潮の満ち引きと人間の生命とは深い関わりがあるのは事実です。人の誕生は、満ち潮が多く息を引き取るのは、引き潮の時が多いことが知られています。
ただ、人のこころの変化が必ずしも常に月と連動しているとは限らないのです。月に関係なく、不快なことがあれば「イライラ」する感情も訪れるでしょう。
ただ、個々のからだと心の状態がどのようにあるかによって、よくも悪くも作用することがあるのが、月の力なのです。
4 満月と人の心
満月の日は、事故や事件が多い、といった話を聞いたことがありませんか? それは、満月の日は感情が高ぶりやすく、衝動的な行動をとってしまうことが原因だと考えられています。
実は満月の日には、右脳と左脳の作用が入れ替わってしまい、左脳の論理と右脳の感性の優劣が逆転してしまうとも言われています。普段、理性優先で行動している人が、感情で動くという現象が起こりやすくなります。つまり、潜在性にが表出するのが満月の作用と言えいます。
また、月の引力に加えて、『満ちる』エネルギーが降り注ぐときです。体の吸収力が最大となり、いいものも悪いものもよく吸収します。人によっては、心身のエネルギーが最高に達してクリアできる力が湧くということもあるのです。
さらに、満月は月の満ち欠けの『完了』のタイミングであることから、何かが形になりやすいときでもあります。
マイナスに働くことを感じている方は、その現れ方が大きくもなったりします。よくない状況は、まるで自分に原因があるかのように感じて落ち込むこともあります。プラスにもマイナスにも働くということなのです。
では、マイナスの方のサポートをする方法がありますので、ぜひに試してみてください。
4−1 満月の日の癒し方
満月に日に落ち込んだ方は、自然のエネルギーの強い、ハーブバスにゆっくり浸かることもお勧めできます。お風呂用のハーブが手に入らない時は、ハーブティーを2〜3パックを浴槽に入れてみることでも良いです。
少し豪華なお食事を少しずつ楽しんで、心を満たすのも良いでしょう。ただし、満月で動揺が大きく現れる方は、アルコールによってそれが増幅することもあるので、敢えて抑えることをお勧めします。食事で、気分を満たすと、エナジーの補給になります。
5 新月と人の心
新月は『新たな始まり』のエネルギーです。この時期は『浄化』の作用が最も強くなります。
この日を境に月は満ち始めますので、何かをリセットするのに最適な日となります。また、直観が冴え、イメージしたものを現実化しやすいと言われています。
ただし、マイナスに現れた場合はエネジーが低下し、不安感が現れやすいのです。悪いことばかり考えて鬱積した不満により「イライラ」しやすくもあります。
5−1 新月の日の癒し方
マイナス感情にある時は、黄昏時の太陽を思い浮かべてみましょう。オレンジ色の空の色は、暖かな波動を放ちます。
そして、オレンジ・グレープフルーツなどの甘い香りのアロマセラピーの精油を芳香させてみましょう。甘い香りが、安息に導いてくれます。
6 まとめ
月に潜む可能性とミステリアスは、計り知れないものがあります。ただ月という身近な存在を通して、「自身の内なる声(=サイン)」にもっとよく耳を傾けてみる必要があるのではないかということです。
「イライラ」の感情も、原因が満月なのか新月なのか体の不調なのかはハッキリしません。それを一つのサインとして聞き入れることで、日々の心とからだの健康管理に活かすことができるのではないでしょうか。