お守りとしての力を持つマンダラ【海外編】

曼荼羅(マンダラ)は、人の手でどのように使われているかといえば「お守り」的な役割になります。
国を問わず、人のこころの支えの一つ「お守り」です。ここでは、可愛らしいものをご紹介します。

1 フィンランドの温かみのあるオーナメント「ヒンメリ」

フィンランドのオーナメントであり伝統的装飾の「ヒンメリ」とは、ライ麦の藁と糸で作られているものです。

形状は、異なった大きさの正八面体をつなぎ合わせたものになります。
この幾何学的な多面体をつなぎ合わせて、天井に飾ります。

この形から「光のモビール」きとも呼ばれています。麦藁は、夜の室内で光を浴びるとキラキラを光を放ちます。
とあるところでは、「藁の王冠」とも呼ばれています。

1−1 ヒンメリの成り立ち

ヒンメリは、スェーデンを経由してフィンランドに伝わりました。
この名前の語源は、「天」を意味する「Himmel」です。
光の注ぐ時間が少ないフィンランドに、この藁細工は温かな空気をもたらしました。

自然や無機物には、精霊が宿るという信仰のもとに、12月の下旬に行われるユールという収穫祭に飾っていました。天井から吊るすことで、神が地上に降りてくるようにとの願いもありました。
キリスト教が、フィンランドにも広まるようになってからは、クリスマスのオーナメントのように飾られています。
もう一つの意味合いとしては、神聖な場所を確保し、結界として飾られています。

1−2 簡単なヒンメリの作り方

自宅でゆったり過ごす時間が多くなる時、このような幸せのアイテムを手作りして飾ってみることもおすすめです。

誰でも簡単に作ることのできる方法がありますので、ご紹介します。

本来は藁をしようしますが、パルプのストローなどで作っても、温かみのあるヒンメリが出来上がります。

2 白樺のネーベルスロイド

この名前は馴染みがないかもしれませんが、籠バックなどの素材に使われているので、きっと見られたことはあるでしょう。

この変わった名前、スェーデン語で「白樺の樹皮を使った工芸」という意味があります。
森の恵を受けて作られているこの工芸は、手順や手法が決まりきっているわけではありませんので、自由でおおらかです。

本来は、白樺を利用するのですが、なかなか手に入りずらいということもあり、代用品としてバーチ材の樹皮があります。
また、紙を利用するのも良いでしょう。

3 クリスマスリース

クリスマスの飾りつけといえば、日本でも多くの家の玄関に飾られるようになったクリスマスリースです。
リアルのモミやヒバなどを利用したフレッシュなものから、色とりどりのリボンや飾りで鮮やかなものまで見られます。
とても身近な存在な存在ですが、このリースにはちゃんと意味があります。

3−1 クリスマスリースの意味

リースは、ご覧の通り輪の形をしています。終わりも始まりもない「永遠」のシンボルになります。
また、「リース」は英語で「wreath」と表されます。花輪や、花冠という意味と冠、輪状のものという意味になります。

今では、様々なリースが見られていますが、最初の形はローマ時代まで遡り、太陽神を祝う冬至祭で、魔除けを常緑樹で作ったことが始まりとも言われています。

キリスト教では「常緑はキリストの命の強さを、円形は命の永遠を表す」と言われています。

3−2 クリスマスリースの起源

古代ローマでは、祭事の際の冠として使っていました。
主に女性が使用していましたが、男性にも権威の象徴として使われることがありました。英雄・勝者と意味して。名誉を讃える象徴でもありました。
それは、主に植物の枝・花・つる・月桂樹が使われていました。

常緑樹は、生命力の象徴でもあったことから、あらゆる競技や知識人に被せる習慣がありました。日本においても、マラソンレース勝者に月桂樹の冠を被せる姿が見られるようになっています。

誰しもが見たことのあるキリストの絵には、いばらの冠で編んだものを被せられています。

古代ギリシャのリースは、花冠でした。ギリシャは温暖な気候ということもあり、神々を象徴する植物があります。
例えば、全能の神ゼウスはカーネーション、愛と美の神アフロディーテはキンバイカ、競技と音楽の神アポロは月桂樹です。

ギリシャ時代の後半では、一般人にも花冠が広まるようになりました。
結婚や出産を知らせるドアリース、船出のリース、墓地に飾るリースなどがあり、様々なところで飾られるようになりました。この時代から、リースは「魔除け」という意味合いがありました。

3−3 クリスマスリースの素材と色

色については前述しましたが、他の意味合いもあります。
それは「農作物の繁栄」という願いが込められています。さらに、赤の柊木の実は「太陽の炎」、松ぼっくりや姫リンゴも「収穫」、尖った葉やベルやリボンは「魔除け」の意味があります。

りんごについては、寒い冬に保存ができることもあり、神へのお供えとも言われています。

4 まとめ

円形という形で、神聖さや魔除けとして利用しているのは、世界共通のようです。
守られる、安心感や安定感を感じるものが円形にはあるのでしょう。

意外と、手軽に作ることのできるものをご紹介しました。
ご自分だけのお守りとして、秋の夜長の作業として作ってみるのも良いかもしれません。

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