頭痛・・・日本人の4人に1人は、頭痛持ちと言われています。特に多いのが、緊張型頭痛と偏頭痛です。どちらも辛く切ない頭痛です。
この頭痛が、自分のからだでなぜ起こるのかわかると、今まで薬に頼っていた方も、頼る回数がグッと少なくなることでしょう。
1 痛みは治ろうとするサイン
日本人に多い緊張型頭痛と偏頭痛は、どちらも血流障害が引き金になっています。
この痛みは、仕事が終わってホッとひと息ついたとき時や、家に帰って、からだが温まったときに起こります。この際の痛みが引き起こされるのは、絞られていた血管が、ストレスから解放されたことで、急に拡張するためなのです。
これは、ストレスによる血流障害から解放され、血流が回復した結果に起こる、治癒のサインと考えられます。
1-1 痛みのメカニズム
ホッとした時に分泌されるプロスタグランジンには、痛みを起こす作用があります。血管が広がって、血流が大量に押し寄せた時に、あのズキンズキンという痛みになります。
1-2 頭痛の消炎鎮痛剤はいいの?
消炎鎮痛剤は、交感神経を刺激して、血管を絞る作用があります。鎮痛剤を服用すれば、痛みを取ることができます。
しかし、痛み止めを常用するのは、百害あって一利なしです。薬で血管を絞ると、血管が拡張するたびに血液がどっと押しかけ、痛みが再発します。
さらに、薬の影響で交感神経の緊張が持続し、血流障害が固定すると、からだの別の部位に痛みが生じたりします。
年単位で薬を使用している人では、腰痛や子宮内膜症、月経困難症を併発している方も少なくありません。
2 薬を使わない解消方法とケア
偏頭痛の再発を防ぐには、血流障害を解消するしかありません。頭痛のない時に、こまめに体操やストレッチなどを行うことをお勧めします。特に、頭部から肩にかけての筋肉をリラックスさせておくことが大切です。
日常の姿勢などにも少し気を配ってみてください。たとえ姿勢が良くても、仕事をしていれば結果は同じです。
労働時間を減らし、ストレスを溜めないようにするのも、頭痛の回避策になります。日頃から血流を良くしておけば、頭重もズキンズキンという痛みも起こらなくなります。
2-1 頭痛解消だけじゃない!魅力的なツボ
薬を使わずに痛みを和らげたい方は、このようなツボもありますので、試してみることをお勧めします。
このツボは、頭痛だけではない効果も得られるのです。からだをちょっとコントロールすると、改善されるのは、一カ所だけではないというのは嬉しいことです。
○ 完骨
場所:耳の後ろにある骨の膨らみの下部から指1本分上になります。めまいや気分の落ち込みにも効果があります。
刺激法:両手で頭を包み込むようにして、親指を完骨に当てます。頭を後ろに倒し、その重みでじわっと刺激します。
○ 天容
場所:耳の下、下顎の骨の後ろになります。東洋医学で鎖骨から上を指す「天」を包み込むツボで、顔を引き締める小顔効果も期待できます。
刺激法:人差し指、もしくは中指でこねるように刺激します。耳の下から鎖骨までの胸鎖乳突筋の全体をマッサージするのも良いでしょう。
2-2 頭痛が和らぐハーブ
医薬品のように副作用のないメディカルハーブを取り入れてみては如何でしょうか?
○ リンデンとジャーマンカモミールのブレンド
・リンデンのこと:強い香りを放つ黄色い花を咲かせる癒しのハーブです。西洋ボダイジュとも言われます。鎮静作用、発汗作用があり、風邪やインフルエンザの際に飲んで発汗を促すとからだが楽になります。
・ジャーマンカモミールのこと:古くから民間療法に取り入れられていたハーブです。頭痛を抑え、緊張を和らげる鎮静作用の他、抗炎症作用や消化促進作用などの幅広い効果があります。
美味しく飲むためのポイント!
ジャーマンカモミールとリンデンの茶葉を混ぜて淹れます。配合は好みによりますが、半分ずつくらいをブレンドするのがよいでしょう。2~3分ほど蒸らしてから飲んでみましょう。
2-3 頭痛コントロールのアロマセラピー
こちらも自然療法ですが、知っているととても役に立ちます。頭痛持ちの方は、きっと手放せなくなる精油となるに違いありません。
[精油]
○ ラベンダー 作用が穏やかで、用途も広いのが特徴です。主成分の酢酸リナリルが、自律神経のバランスを整え、筋肉を整えて、弛緩させることから、頭痛や生理痛、筋肉痛などの痛みに作用します。その他の働きとして、安眠誘導の作用もあります。
[使い方]
① ハンドバスで温める&芳香浴
洗面器にお湯を張り、精油を2、3滴落とします。手首までお湯を入れて、立ち上るラベンダーの香りを嗅ぎながら手を温めます。
② 直接つける
ラベンダーの精油を直接付けるという方法もあります。ラベンダーの精油を1滴手に落とします。額とこめかみに擦り込ませるように、塗ります。敏感肌の方は、直接擦り込まず、手首の裏などでテストをしてからにします。
3 まとめ
頭痛とは、本当につらいものです。酷くなると、食事もできず眠ることすらも当たり前のようにできないからです。ただし、前述した通りに「痛みは、治ろうとしているからだのサイン」なのです。この頭痛の状態が来た時こそ、自分のからだに耳を澄ませるときです。
この頭痛が引き起こされたのは、何らかの誘発原因があります。あなたを取り巻く環境を・・あなたの生活スタイルを振り返ってみてください。