人が生きていく上で必要な事柄には、「文化」があります。例えば、「食文化」は私たちが生きていく中で必要不可欠なものです。
そうした時に、「眠り」の文化があってもよいのではないでしょうか?
いかに心地よい眠りにつけることが、人としての幸せにつながるのか・・そんな探求があっても良いでしょう。
さらに、心地よく、深い眠りは、人の活動にも大きく影響するものです。
その中でも、アロマをうまく使った睡眠への導入の方法は、これからも研究されていく文化の中の一つと考えられます。
1 ぐっすり眠るための条件
快適な睡眠を得るには、寝室環境が最も重要になってきます。
そして、その寝室には、1日の1/4〜1/3を過ごす場所にもなっているのです。
そう考えると、リビング以上に気を使いたいスペースであることに気づきます。
1−1 音
生活音がグッと少なくなる夜の時間は、少しの物音が眠りを妨げる原因にもなります。
外からの騒音にも気を配りたいものです。
二重サッシや雨戸でもって、眠りに入りやすい、静かな空間を作るようにしてみましょう。また、厚手のカーテンなどでも、防音の対策になるのです。
1−2 光
眠るときの明るさは、睡眠に大きい影響を与えます。
理想的な明るさというのがあり、おおよそ20〜30ルクスが良いとされています。この明るさは、なんとなく物の形が見える程度になります。
ただ、この明るさは、個人差があります。中には、豆電球の明るさがないと安心して眠りにつくことができないという方もいます。
自分にとって、眠りに入りやすい明るさを知っておくと良いでしょう。
明るさをコントロールできるリモコンで調節をするとか、スタンドやフットライトなどの照明器具も活用してみるのも良いでしょう。
1−3 温度・湿度
季節によって、理想的な室温というのがあります。
およそ、夏が25℃。冬は15℃になります。湿度は、通年50%といわれます。
エアコンや加湿器などをうまく取り入れてみると良いでしょう。
肌のコンディションにも影響を及ぼします。
1−4 部屋の雰囲気
寝室は眠るための場所です。雰囲気作りには、ちょっと気をつけてみることをお勧めします。
例えば、室内の色は、柔らかなグリーンやベージュ、ブラウンなどといった色合いを取り入れてみると、気持ちが安定します。
逆に赤などの物を持ち込むと、脳が刺激されて目覚めてしまうことにもなるのです。
1−5 香りの演出
一時、アロマキャンドルやキャンドルを使う、アロマポットが流行りました。しかし、眠ってしまうと、火気に気づかずにいるということもあり、火災の原因にもなりかねません。
加湿もできるアロマデュフューザーを利用するとか、耐熱グラスに、お湯を張り、精油を2〜3滴落として、蒸気とともに揮発する香りを楽しむのが、とても安全です。
2 眠りを誘うアロマ
自然界の、心地よい香りを、漂うわせることは、心地よい睡眠のみならず、抗菌性のある精油を使うことや心地よい環境を作り上げることによって、免疫を高める睡眠をも導きます。
では、どのような精油を使うのが、望ましいのでしょうか?
眠りを誘うと言われている、代表的なラベンダーのことも含めて効果のある精油をご紹介していきます。
2−1 ラベンダー
心を鎮めて、緊張を和らげる作用を持っています。副交感神経に作用し、自律神経のバランスを整えることで知られているその香りは、心の痛みさえも洗い流す作用を持っています。
多量に使うことで、覚醒することもありますので、睡眠に用いる際は、少量から試してみましょう。
2−2 ゆず
古くから「冬至」の柚子湯として使われて、親しまれてきた香りです。その香りは、日本人に受け入れやすい香りでもあります。寒い時期の、凝り固まったからだをほぐすだけでなく、心も温めて、元気を取り戻す香りです。一方、どの年代の方にもホッと寛ぎを与える香りなのです。
特に、アロマセラピーに馴染みのない方にも受け入れやすい香りの一つです。
2−3 ベルガモット
精神的にちょっときついな・・・と感じる時に取り入れることで楽になるという方もいる、香りです。
心の沈みや情緒不安定な時というのは、感情が麻痺してしますということもあったりもします。そのような、最悪の状況の脳に作用するということがわかっている香りです。
紅茶のアールグレイの香りづけに使われていうことでも知られています。
2−4 ヒノキ
日本の神社仏閣に使われる建材がこれになります。その香りは、自分のベースを揺らぎないものとして落ち着かせる作用を持っています。
心を安定させますが、後からやる気をみなぎらせてくれるパワーもある精油です。
柑橘系・樹木系・などとの相性が良い精油です。
2−5 イランイラン
人によっては、好きでない方もいるかもしれませんが、ブレンド次第では、ゆったりとした気持ちにさせてくれる香りのひとつになります。
ストレス性の動悸や不整脈を鎮めます。
この甘い香りで、ストレスを忘れられたという人もいるくらいです。甘すぎる香りを好まない方は、オレンジやベルガモットとのブレンドによって、爽やかな甘さが広がります。
3 心地よい睡眠のためのアロマの活用法
もっとも簡単な方法としては、前項にもある通りにアロマデフューザーや耐熱性のコップに精油を落とす方法になります。
その他に、空間を清めたい時は、小さなガラスのお皿などに、お塩を盛って、そこに精油を3滴ほど落としてみるのも良いでしょう。
もっと簡単に・・・という方には、ティッシュやコットンに精油を2〜3滴落として枕元に置いて香りを感じるのも良いでしょう。
作ることも可能ですが、アロマスプレーをリネン類に噴霧するという方法もあります。
最後に、もう一つ。
それは、あなた自身が安らげる香りを身につけることです。
4 まとめ
精油の香りというものは、リラックスするとかリフレッッシュするとかに限定されるものではないのです。
香りの情報は、脳を経由して、自律神経のバランスを司る視床下部に影響をもたらします。そして、自律神経のみならず、内分泌系や免疫系にも作用させます。
したがって、あなたがセレクトした、心地よい香りというのは、あなたの心地よい睡眠時間に体調を整える作用も持っているのです。
例えば、アロマデフューザーにて香らせた空間で眠っている方は、インフルエンザなどの感染症にもかかりづらい、ということがわかっています。
アロマセラピーを取り入れた睡眠、侮れないですね。