子供の頃、落ち着かない様子でいたり、イライラしていることがあると、「カルシウムが足りない!牛乳を飲みなさい」などと言われた経験はありませんか?さて、カルシウムだけが、特に牛乳がイライラに良い食品なのでしょうか?
世の中には、溢れかえるほどの食品があります。要するに、良い選択肢がたくさんあるわけです。
意外と・・・思わぬところに、私たちを救ってくれる「救世主」のような栄養と食品がありますので、これを知っておくだけで随分と心のありようが変わるでしょう。
ここには、最も吸収の良い形で取り入れることのできる「食べ方」も合わせてみていきましょう。
1 薬を摂る前に食事を見直してみる
昔から伝わることわざの中に、西洋ではこんな言葉があります。「医者を待つより、料理人を待て」
そして、東洋では・・・「医食同源」とか「医者より養生」
いずれも、食事次第で医力や薬力にも勝るとも劣らないということが示されています。先人たちは、これを信じて今に伝えてくれています。
その知恵が生きているということは、真実になるのです。そして、飽食の時代の今、この知恵が見直されつつあることも真実です。
1-1 ここで、あなたの食生活を見直してみよう
☑️ 食物繊維を十分に摂っていますか?
☑️ 食品から微小ミネラルというものを摂取していますか?
☑️ 腹八分目を守っていますか?
☑️ 油に意識を置いていますか?
☑️ 糖分は控えめにしていますか?
☑️ 和食を重んじていますか?
☑️ 免疫力を高める食生活を意識していますか?
☑️ よく噛んで食べていますか?
☑️ いつも楽しく食べていますか?
さあ、どうでしょうか?
すべてに☑️がつかなくても大丈夫です。一つ一つについてここで丁寧にサポートさせていただきます。
1-1-1 デトックスといえば食物繊維
食物繊維は、栄養なのか・・・?といえば違うとお答えしましょう。基本的に腸内で吸収されることのないものです。
身近なもので分かりやすいものを挙げると、みかんの袋や白い筋がありますよね。割と多くの方が、これを嫌がって丁寧に取って食べています。しかし、これが食物繊維という限りにおいて大変役立ち、重要な働きをするのです。
食物繊維であるこのものは、胃液によっても解けることがありません。ですから、最後の最後まで消化されることが無く腸に運ばれるのです。
その間、体内に溜め込まれた重金属や化学物質のような不要なものを吸着していきます。さらには、不要な脂肪分さえも吸着するのです。さらに体外に排出するところまでを担います。
まさに、「胃腸の掃除人」です。
ここまでで、流行りのデトックスとは食物繊維を摂ることなのだな・・・と納得していただけるでしょう。食物繊維は、下記のような食物にたくさん含まれています。
・野菜
・未精製穀物
・海藻類
・果物
綺麗になった腸は、より良い栄養を吸収できるようになります。
体内に何か入れる前にまずはお掃除・・・これが食物繊維の仕事なのです。
1-1-2 現代人の悩みを解消する味方の微小ミネラル
ミネラルの摂取というと何を想像しますか?これらを摂取するにはサプリメントしかできないと思われていませんか?
これらの中には、亜鉛・マグネシウム・銅などが含まれますが、ちゃんと食物から摂取できるのです。この微小ミネラルですが、体の微調整に使われています。
そこには、なんとなく怠いとか、ストレスが解消されずに溜まっていく一方だとか、なんとなく皮膚の状態が良くないなどの症状の改善につながります。
一般に現代人の大きな悩み「不定愁訴」と言われるこの症状の改善になるのですから、摂らない手はありません。
ここで、微小ミネラルを含む食品になります。ミネラルなだけに海の中に溶け込んでいます。ということは、牡蠣などの貝類や海藻類に含まれているものです。
イライラする前に、イライラしたら、ワカメのサラダやお味噌汁などでしたら、四季を問わずに手軽に摂取できます。
1-1-3 満腹は危険!
「腹八分目 医者いらず」という言葉はご存知ですか?
昔から伝わる言葉で、長生きとあらゆる競争を勝ち抜いた人には、いつも満腹の人はいないという伝えさえ存在します。
満腹は、神経が過剰に緩んでしまい自律神経のアンバランスにつながり、肥満も招きます。この満腹は、よく噛んで食べ、会話を楽しんで食べることで解消されていきます。
食材の持つ味をゆっくり味わってみましょう。
1-1-4 脳にもいい油を
昨今の健康ブームで、オメガ3の油が注目されています。植物性油でいうならば、亜麻仁油・シソ油・えごま油が代表的なところです。
動物性では、イワシやサバなどの青魚に多く含まれます。
このオメガ3の油は、近年の研究から、脳には欠かせない油となっています。読解力や記憶力の向上、情緒の安定にもつながり、鬱状態などの心の健康にも欠かせなくなっています。
1-1-5 糖分の選び方
人のからだは、脳を動かすためにも「糖分」が必要です。では、糖分はどんなものでも大丈夫かといったら違うのです。
ほとんどの加工食品や菓子類に使われている、代表的な白砂糖は、体内に入るとあっという間に吸収されてしまいます。そして、急激に血糖値を上げる性質を持っています。
その結果、膵臓から血糖値のバランスをとるためのホルモンがたくさん分泌されるのです。これが繰り返されると、膵臓の機能が弱ります。
さらに、からだの冷えや血行不良に結びつき、精神的な集中力の低下や落ち込み、悲観的な考えなどを招くのです。どこから糖分をとるのが良いでしょう?
日本は、発酵文化の国です。
この発酵から、甘みが生まれています。例を挙げるなら、甘酒やみりんです。これらを上手に使ってみましょう。そして、北海道で作られているテン菜糖は、砂糖大根から作られており、オリゴ糖もふくまれているものです。
最近では、血糖値を緩やかに上げるアガベーシロップというものがあります。
「イライラ」は糖分の上手な使い方によって、解消につながるというわけです。
1-1-6 和食にある可能性
昔より日本人の食事は、ご飯に味噌汁。そして、漬物という取り合わせでした。ここには、パワーはあるけれども、気持ちが落ち着く要素が含まれています。
メインである、ご飯と味噌汁を見ていきましょう。
ご飯・・玄米が理想的ですが、消化に個人差もあるなど取り入れやすいとは言い難いと思います。せめて、胚芽米や雑穀をブレンドしてみましょう。
そして、いただくときにはよく噛みしめて取り入れてみてください。
お米に含まれる糖分が緩やかに吸収されていきます。また、発芽する要素のあるものは、パワーをもたらしてくるのです。
味噌汁・・昆布や煮干しなどの旨味成分のお出汁がベースになります。味噌は、日本の風土が生み出した発酵食品です。
腸内のバランスを整え、精神安定に導くセロトニンの生成を担います。
1-1-7 噛むことは満たすこと
よく噛んで食事をすることには、ちゃんと意味があります。消化と吸収を助けるということと、食べ過ぎを防ぐのです。
では、ご飯をよーく噛んでみてください。甘みが増してきませんか?この甘みが前述しましたように、脳を脳を喜ばせてくれます。
さらに、よく噛むことは精一杯食べなくても満腹感を招いてくれます。満腹感は、お腹を満たすだけでなく「心も満たす」のです。
1-1-8 満たすことは皆で食べること
近年、一人暮らしの方が多くなり、孤食が増えているのが実情です。毎日いつでもみんなで・・・とはいかないかもしれませんが、仕事の合間の食事(ランチ)や家族・友人と食事をするという習慣を日常に少しでも取り入れてみませんか?
食事は楽しいものでありたいです。何人かで楽しく食べると、陽のエネルギーの中で心が躍ります。食の美味しささえもアップするといわれます。
楽しく食事をすることは、食事のペースがゆっくりになり、食べ過ぎにも効果があります。それだけでなく免疫を上げるナチュラルキラー細胞が増えることもわかっています。
食を通して、豊かさを増すことは「イライラ」した感情の解消につながるだけでなく、病気になりやすい体作りにもなるのです。
2 忙しい時にイライラ解消の簡単スープをいかが?
できれば簡単に済ませたいんだ・・・でも美味しく・・そんなわがままにお応えしましょう。
こんなに簡単に取り入れられて、心地よく過ごせるのなら・・やるしかありません。
2-1 イライラに三つ葉とネギの味噌玉スープの作り方
材料:[一人分]
三つ葉 2~3本(1センチくらいにカット)
長ネギ(小口切り)
味噌玉(削りぶしひとつと味噌小さじ2を丸める)
白すりごま 少々
[作り方]
① 三つ葉とネギは上記のようにカットしておきます。
② 味噌玉も上記のもの作っておきます。
③ ①と②をお椀か容器に入れて、熱湯を注ぎ、よくかき混ぜます。
④ すりごまをパラっと落として、いただきましょう。
※ お野菜をスープジャーなどに入れておくと、職場でも手軽にいただくことができます。
2-1-1 スープ具材のイライラ抑制ポイント
三つ葉
ビタミンA・・・精神安定に欠かせない栄養素。ほうれん草・カブの葉・春菊などに存在します。
ネギ
ビタミンC・・・抗酸化作用・疲労回復・精神安定作用があります。カブの葉・ブロッコリーなど緑黄色野菜に含まれます。
ごま
ビタミンE・・・自律神経のバランスを整える。アボガド・かぼちゃ・ナッツ類などに含まれます。
味噌
トリプトファン・・・精神安定作用のある神経伝達物質 セロトニンを生成します。豆類や大豆加工食品の豆腐などに含まれます。
3 まとめ
イライラしない食生活は、バランスが必要です。そして、簡単でも少しでも丁寧に取り入れてみることの積み重ねです。
栄養というと、簡単にサプリメントやジュースなので補おうとしてしまいます。しかし、今を生きている私たちです。生きている食材を摂ることを頭の片隅に置いてみてください。
完璧じゃなくてもいいです。時には、サプリメントにジュースに頼っても大丈夫です。でも、生きたパワーを摂ってみることを忘れないでください。
食べたもので、私たちの体はできています。