暑さが続くと自ずとやってくるのが、心身ともに「疲れる」という症状です。また、心地よい睡眠をとることができないというのは、とても大きな悩みとなってきます。
ここで、アロマセラピーをうまく使うことで、厳しい夏もできるだけ心地よく過ごしてみるというのは、いかがでしょうか?
うまく利用することで、不快さの軽減のみならず、暑さの中にも快適な夏を感じる毎日となります。心とカラダに優しいアロマを使って、今年の夏は、すっきりと過ごしていきましょう。
1 涼しさを呼ぶアロマ
精油の香りが、涼しさと心地よさを生み出すものなのです。それは、自然界の香りであると同時に、自然界の香りを私達のカラダは、そうそう拒否することはないということです。
1−1 レモングラス
レモン調の爽やかな香りが特徴のハーブです。暑い地方に生息していることもあり、夏の暑さの対策に役立ちます。
暑さで、怠くなっているからだにエネルギーをもたらします。また、汗の匂いが気になる時のデオドラントとしての作用もあり、ボディフレグランスのスプレーにも利用することも適しています。
また、虫除けの作用もありますので、夏のアウトドアには欠かせない精油のひとつです。
1−2 ペパーミント
清涼感のある香りに加えて、肌につけることによって(直接肌にはつけないでください)ヒンヤリした感触を感じることができます。
一般的に、嗅ぐだけでも体感温度が3〜4℃も下がるという実験結果が出ています。暑さでからだに熱が籠ってしまっている時には、濡らしたハンカチなどに一滴落として、からだを拭いてみるというのを試してみるのも良いでしょう。ぬるい風さえも、ヒンヤリした風に感じられてしまうのです。
1−3 プチグレン
ネロリに渋さとグリーン調の爽やかさを加えた香りは、清々しくも、リラックスに導く香りです。呼吸が深くなるという作用もあり、夏の寝苦しさを解消する香りです。
エアーコンディショナーなどに加えることで、質のよい眠りを導きます。香水の「核」にもなる、深くて甘いグリーンを感じることができるでしょう。
1−4 レモン
目がシャキッと見開くような、シャープな香りです。そこには、酸味と言うよりも、爽やかに広がる柑橘の香りがあります。
おおよそ、嫌いな人はほとんどいない、受け入れやすい香りの一つです。体液の循環とともに脳の循環も良くなりますので、頭脳明晰性の香りとも言われます。
免疫力を高める作用は、疲れたからだにうれしい限りです。
1−5 ユーカリ
花粉症時期に、多く出回る精油の一つですが、作用は多岐にわたっているのです。もちろん、呼吸器の不調も改善しますが、スーッと通る香りは、緊張して浅くなっている呼吸を深くもしてくれるものです。
また、シャキッと目覚める香りは、暑さでボーッとしてしまった脳に心地よい刺激をもたらすのです。
2 夏のアロマの使い方
アロマというと、芳香を思い浮かべる方が多くいます。その芳香にも、科学的根拠や生化学的根拠があってのことなのです。
ここでは、簡潔にお話ししますが、鼻の奥の方に、香りをキャッチして、脳の大脳辺縁系と言う場所にすぐ届くシステムが存在しているのです。
香りを嗅いだ際に「リラックスする」とか「気持ちが切り替えられてた」とかいう言葉が発せられる裏には、このような、私たちのからだの作りが存在しています。
では、芳香させるにしても、どのような方法があるのか・・いくつかご紹介していきます。
2−1 清涼感のある風を作ってみる
「ペパーミント」には清涼感があることを先に述べました。その香りのヒンヤリは、体感温度さえ下げるのです。
そこで、扇風機や送風機の風の吹くところに、ペパーミントを2〜3滴落とした、ペーパーを貼りつけるのです。風とともに、更に涼しくなる空気が、お部屋一杯に広がります。
2−2 エネルギーアップする香りは、玄関に
「レモングラス」は、レモンのような爽やかな芳香のある、ハーブです。疲れきって、怠くてエネルギーを失いかけそうな心とからだに、ガツンと喝さえ入れてくれるような、爽やかさがあります。前述した通りに、玄関に置いておくことは、虫除けの作用もあります。
朝の「気力up」とともに「虫」が、家の中に入らないように防ぐことに一役買ってくれそうです。その際に、アロマストーンやコットンに、2〜3滴含ませたものを、小さなお皿の上に乗せて、玄関に置いておくことをお勧めします。
その日1日が、最高のスタートを切れるようにしてくれるでしょう。
3 誰でもできる元気を運ぶアロマグッズの作り方
精油を巧みにつかうことで、夏なのに快適な香りに包まれて過ごすことができます。その具体的な作り方と手順ををご紹介します。
3−1 心身を活性化するフェイシャルアロマソープ
十分寝ているはずなのに、疲れが残っていて、頭がすっきりしないなんていう時や、やることが多すぎて、なんだか手につかない・・そんな時に、とても役立ちます。
材料:
精油 ティーツリー5滴 レモン3滴 ゼラニウム1滴・無香料ソープ30ml
作り方:
① 基剤のソープに、精油を加えてよくかき混ぜます。
洗い上がりに、しっとりした感覚の欲しい時は、ライスオイルやホホバオイルを5ml加えてみます。
3−2 朝のためのアロマスプレー
自分が過ごしている空間や、手首、そしてティッシュやコットンにスプレーし、香りを吸入します。清々しく心身をリフレッシュできる効果の高いレモンとペペーミントの組み合わせは最強です。
目覚めをよくして活動的にしてくれます。
材料:
精油 ペパーミント4滴 レモン8滴(水蒸気蒸留法のもの)・ 無水エタノール10ml精製水10ml
作り方:
無水エタノールに精油を加えて、軽く振ります。さらに、精製水を加えてからよく降って行きましょう。使用する前も、振ってからお使いください。
4 熱疲労にこそアロマ
暑い日が何日も続いたり、湿度の高い蒸し暑い日が続くと、からだは悲鳴を上げ始めます。そうならないためにも、そうなった時にも使える方法があります。
4−1 疲れた胃腸をケアするトリートメントオイル
どうしても冷たいものを摂りがちになってしまう夏です。冷やしてしまった胃腸を復活させるには、温める手法を知っておくことが大切です。消化管の蠕動運動や消化液が分泌されやすいように、腹部の活性化をするトリートメントオイルを作ってみましょう。
材料:
精油 ペパーミント2滴 ブラックペッパー3滴 ローズマリー3滴 レモン5滴 ホホバオイル30ml
作り方:
ホホバオイルに精油を加えて、よくかき混ぜます。
使い方:
手のひらに500円玉大の量を取り、優しく、みぞおちと腹部に塗布します。腹部に塗布する際は、おへそを中心に円を描くように動かしていきます。呼吸のゆったりしたリズムに合わせながら、手のひらをゆっくり動かしてみましょう。
4−2 頭痛にはこのローション
暑さゆえに引き起こされる頭痛もありますし、ストレスや緊張も伴うとより一層の緊張が、頭・首・肩に感じることがあります。そんな時に役立つローションです。
材料:
精油 ペパーミント6滴 ラベンダー9滴 無水エタノール5ml 精製水25ml
作り方:
無水エタノールに精油を加えて馴染ませます。更に、精製水を加えてよく振りましょう。
*あれば、メリッサを1滴加えると効果的です。
使い方:
手のひらに適量にとって、頭皮やこめかみに塗布します。また、首の後ろの付け根にもつけて、こわばりを緩めてみましょう。最後に手を頭の側頭部に数分当てて、そっと包み込むようにしてみると、効果的です。
5 まとめ
具合が悪いと、薬先行になってしまいがちですが、植物のエネルギーに身を委ねてみるのは如何でしょう。依存性や副作用もないだけでなく、「アロマ」とはその人本来の自然治癒の力を引き出してくれるものでもあるのです。
ただ、世の中には、よくないものも出回っています。よく吟味するとともに、困った時は、専門家のアドバイスを聞いてみるのも良いでしょう。アロマで快適な夏をお過ごし下さい。