仏教から見た曼荼羅の意味する全てがわかる5選

仏教から見た曼荼羅の意味する全てがわかる5選

きっと、皆さんが見かける、古くからの曼荼羅とは、仏教の大きな掛け軸のようなものかもしれません。この曼荼羅はどんな意味を持つのだろうと思ったことはありませんか?

曼荼羅(マンダラ)は、サンスクリット後のmandalaの音写したものになります。本来の意味としては「本質・中心などを持つもの」として表現されています。

仏教では、また少し違った意味を持つものとなってきます。その奥深さをお伝えしていきます。

1 曼荼羅と宗教的のこと

曼荼羅の原型は、インドのバラモン教やヒンドゥー教の宗教儀礼にあります。幾何学模様や、神の姿を描いていました。あらゆる神々を招いて供養するとともに、祈願することを行っていました。その儀礼が、仏教にも取り入れられるようになってきたというわけです。

曼荼羅とは、宇宙を示したものと言われるように、多くの要素を持った集合体です。ここには、空間・領域・場を表しています。そこには、つながりを持った世界観が示されているのです。

2 日本の仏教の曼荼羅

曼荼羅の原型には、宇宙感が示されているのですが、日本においては、仏教の世界観が表されているのが特長です。日本での曼荼羅は、主に密教曼荼羅を指しています。

密教の曼荼羅の構成は、幾何学的になっています。すべての像は正面向きになって表されているのですが、これには法則や意味があるのです。

例えば、中心に配置されているものは、最も大きく描かれ、中央から外に向かっていくにつれて、配置されている仏像は小さくなっていきます。

ここでは、空海がもたらした「金剛界曼荼羅」と「胎蔵曼荼羅」があります。この二つを合わせて、両界曼荼羅と言われています。また、密教とは違う側面の仏教の根本思想を表した「六道曼荼羅」というものもあります。

2−1 両界曼荼羅のこと

大日如来を中心として、沢山の仏様の配置によって構成されています。密教系の寺では、本尊を中心として、向かって右に胎蔵界曼荼羅、左に金剛界曼荼羅が祀られます。大日如来は、宇宙永遠の真理と悟りを意味しています。

2−1−1 金剛界曼荼羅のこと

金剛界曼荼羅

「金剛」とは、ダイヤモンドを意味しています。この意味とは、大日如来の智慧が、何ものにも傷ついたり、揺らぐことはないということを表しています。また、これは九つの区画で構成されていますので、「金剛界九会曼荼羅」とも言われることもあります。

この特徴としては、九つの区画のうち六つが同じパターンで構成されていて、上段の三つは異なります。

上段の中央は、大日如来如来だけが際立ちますが、中心は、やはり中段中央の部分になります。
これは、悟りと智慧の意味を表した、智の曼荼羅と言われるものです

2−1−2 胎蔵界曼荼羅のこと

胎蔵界マンダラ

インドでは、初めは胎蔵曼荼羅でした。今では、金剛界曼荼羅と対にして扱われるようになってから、「界」が着けられるようになりました。

「胎蔵」とは、大悲胎蔵生(だいひたいぞうしょうの)ことで、子供が母親の胎内で育つように、大日如来によって、悟りの本質が生まれてくるという意味があります。
つまり、悟りと慈悲が現実の世界に広がる様が現れている図を意味しています。

絵としての特徴は、中央に八つの蓮華があるところになります。仏様になることのできる質が、大日如来の慈悲によって開花するということを表しています。八つの蓮華の中心には大日如来がおり、その周りには、四仏と四菩薩で八葉になっています。

2−2 輪廻をモチーフにした六道曼荼羅のこと

六道曼荼羅

この曼荼羅には、ブッダのあらゆる教えのエッセンスが、絵で示されています。この中で仏教の根本的思想であり四つの教えがあります。

・現実は苦しみに満ちている
・苦しみの根源とは執着や欲にある
・苦しみを終わらせることは可能である
・心を解放するためには道がある

これらは、人間が誰もが経験する苦しみの根源を解いています。そして、私たちが、人生で経験することは、現世であれ前世であれ、自分の行為の生み出したものであるとされています。

2−2−1 六道輪廻の構造

円の中心にある円の中には、豚・蛇・鳥という3種類の動物が描かれています。それぞれが、私たちの愚行の源を表しており、豚は「無知」、蛇は「怒り」、鳥は「プライド」の象徴になります。

その外の円環には、天に昇る人間と地獄に堕ちる人間が描かれています。これは、人間の善行と悪行に結果になります。
さらに、この周りには六つに別れた大きな円環があります。ここには、人間の心の姿勢が描かれています。

ここに示されているのは、無知や渇望、執着を知恵に変え、怒りや憎しみを愛に変え、プライドやエゴを慈悲にしようと努めることで、人間は苦悩から解き放たれるのだということを表しています。

3 曼荼羅を見るには、ここに行く

つい、京都や奈良に行かないと見ることはできないのではないかと思いますが、23区内にもあります。また、平面ではない曼荼羅もあるのには驚きです。

3−1 都内にある曼荼羅美術館(観蔵院)

東京都練馬区にある観蔵院です。その境内は約2100坪の大きさがあり、豊かな自然に囲まれています。かつて観蔵院は寺子屋でもあったことから、地域文化の中心としての役割に重点を置いた活動を行っている寺社です。
曼荼羅美術館には、曼荼羅のほか、美しい仏画が展示されています。

アクセス:
西武池袋線・練馬高野台下車徒歩10分
西武新宿線・井荻下車徒歩15分
西武池袋線・石神井公園下車徒歩15分

公式HP http://www.k3.dion.ne.jp/~kanzoin/

3−2 ちょっと足を伸ばして立体曼荼羅を見る(京都・東寺)

東寺には、密教を伝え広めるために建立された講堂があります。その教えを視覚的に表した、立体曼荼羅は、弘法大師空海の手によるものです。
弘法大師の教えというものを読み取ることができると言われています。

アクセス:
○JRの場合「JR京都駅」(八条口)下車 1.1km 徒歩15分
○近鉄の場合「近鉄東寺駅」下車 0.6km 徒歩10分
○京阪の場合「丹波橋駅」で「近鉄丹波橋駅」乗換え 「近鉄東寺駅」下車 徒歩10分
○阪急の場合「大宮駅」で市バス18系統、71系統、207系統乗り換え 「東寺東門前」下車 徒歩1分

公式HP http://www.toji.or.jp/index.shtml

4 まとめ

円や中心あるものを囲むという構図の中に、悟りと知恵の世界が繰り広げられています。
この、円や囲むという構図は、仏教のみでなく、あらゆる宗教観と共通しているものがあります。それは、私たちの心を癒し慰めるということでしょう。
私たちは、宇宙という、地球という、マンダラに生きているのです。