胃腸の調子を崩しやすい「梅雨」です。
猛烈に暑い日もあれば、梅雨寒といった、冷える日もあります。このようになってくると、一番の負担がかかるのは、免疫を司っている腹部になります。
毎年のように、この季節の変わり目についていけない方の助けになることを挙げてみました。今年の初夏を快適なからだで乗り切ってください。
1 梅雨に体調を崩しやすい理由
東洋医学では、この時期の体調不良を「湿邪」によるものとしてしています。体内にある、余分な水分により、体調を崩すという考え方です。
梅雨といえば、かなり湿気が多くなりますが、この湿気とうまく付き合うことが、湿邪にの流れを断ち切るものとなります。
1−1 湿邪とは
漢方医学における外部からの疾病の原因の一つです。体外の湿気の強さにより、体表・関節・筋肉が侵され、四肢倦怠、軽いむくみ・だるい痛みなどが引き起こされる症状のことを言います。
また、体内で湿気が胃腸に停留し、水分代謝が悪くなることにより、腸の調子が悪くなります。
1−2 湿邪の主な症状はこれ!
主に消化吸収や水分代謝のトラブルがありますが、それ以上に次のようのものも、湿邪が原因なのです。
□からだが怠い
□頭痛と頭重
□関節痛
□胃もたれ
□膨満感
□口臭
□口内炎
□舌苔
□むくみ
□生理のトラブル
□粘着性の便
□湿疹やニキビ
2 梅雨時期の食べ物
この時期の体調不良は、水毒によるとも言われます。それは、湿度が高いのにも関わらず、暑くなり始めで、冷たい水分を多量に取りがちになるということなのです。この水毒の影響を受けない食事のコントロールが必要になってきます。
2−1 旬の食材を
その時期にあった食べ物が、その時期のからだに一番いい・・・ということは、耳にしたことがあるでしょう。
「旬産旬消」とも言います。
緑豆・ナス・オクラ・きゅうり・トマト・枝豆・南瓜・ピーマン・みょうが・・・
これらを上手に摂ることをおすすめします。
夏野菜は、冷やす食材にもなりますので、冷えすぎないためにも、からだを温める陽性の調味料と組み合わせるとよいでしょう。
例えば、ナスやピーマンなら、お味噌との相性がとても良いのはご存じでしょう。味噌炒めなどはいかがでしょうか?お味噌と合わせることで、体内から失われた、必要な塩分やミネラルもしっかり補給できます。また、発酵食品ですので、腸の調子を整えてくれる優れものです。
3 体調不良の改善食はこれしかない!
体内に余分な水分を溜め込み始めると、自然とむくみの状態が起きて、冷えてくるということになります。
これらを改善する食材があります。
3−1 利尿作用のある食べ物
余分な水分を出したいときは、発汗または尿として排出することになります。下記にご紹介する食材は、利尿だけでなく、解毒の作用もありますので、ぜひに取り入れてほしい食材です。
《利尿作用のある食材》
- きゅうり・トマト・スイカ利尿作用があり、食べることによりからだを冷やす、夏野菜です。豆類やトウモロコシも利尿の作用があります。
- ごぼうは、その昔より、利尿剤としても使われてきていますが、腎臓の働きをよくする食材でのあります。利尿作用のみならず、老廃物の排泄や発汗作用もあります。腎臓といえば、小豆も利尿作用と解毒作用を併せ持っていて、体内の水はけを良くしてくれます。また、しょうが・シソ・ネギ・唐辛子・ニンニクなども、胃腸の働きを活性化して、体内に溜まった水分を排出させるのです。
《利尿作用のある飲み物》
利尿作用といえば、カフェインの多いコーヒーや紅茶が、浮かんできますが、コーヒーは、産地が南国の飲料になり、ホットでも冷やす作用を持っています。そこで、からだを芯から温めて、発汗を促してくれるのが、しょうが紅茶です。
冷房で芯から冷え切ってしまうような、本格的な夏には欠かせないものとなります。また、夏といえば、麦茶です。利尿作用や夏に弱りがちな胃腸を整える作用もあり、手軽で簡単です。
3−2 梅雨のオススメの食材
前項でも「湿邪」という言葉がありますが、体内に水分を溜め込んで体調を崩してしまった時のケアになる食べ物もあります。
冷房などで、からだの冷えがきになる場合には、夏野菜(ジャガイモ・人参、トマトなど)で温かいスープなどを作ってみるのも良いでしょう。少し、しょうがのすりおろしを入れてみると、心地よい発汗が促されます。
3−3 スーパーフード! 梅干し
いよいよ本格的に、調子の良くない時は、梅干しでのケアがおすすめです。
梅雨のこの時期は、からだのバランスが崩れやすいのと同時に、疲れが溜まりやすい時期でもあります。そんな時に助けになるのが、梅干しなのです。
梅干しには、クエン酸をはじめ、様々な成分が血液の酸化を防ぎ、疲労回復と同時に免疫力も高まります。また、殺菌力もあるので、食中毒の起こりやすい、梅雨の時期には欠かせない味方です。
また、どうにもならない時の梅醤番茶というものもあります。
梅干し・醤油・三年番茶が入っている飲み物ですが、すでにペーストになっているものが、自然食品を扱うショップにありますので、それを使うことが手軽です。
スプーン一杯をお湯に溶かして、ゆっくりすするだけです。
からだに早く吸収するので、様々な不調をコントロールしてくれる優れものです。
一家に一瓶・・・と言いたいところです。
4 まとめ
梅雨の時期は、ジメジメで蒸し暑く、気分もそれと同じようになってしまうことがあります。それを解消するためにも、ここまでの食材を試してみてください。今年の梅雨は、浮腫むことなく、いつものこの時期よりも、軽やかに快適に過ごせるでしょう。