芸術療法である「アートセラピー」が近年流行となっています。
美しい色と触れ合う時間は、無駄なことも考えることがなく、まさに「無」を感じられる時間となります。
疲れた日の夜は、テレビの前でゴロゴロしたくなるかもしれませんが、テレビを消して、美しい音楽を流して、その中で美しい色と戯れてみるというのは如何でしょうか?
1 アートを鑑賞するところから始めてみませんか?
ひょっとしたら、アートを作成することに抵抗感のある方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、まずは眺めてみることから始めてみませんか?
例えば、印象派のアートを見ることで「癒される・・・」とよく言われます。中でも、モネ・セザンヌ・マネなどのゆったりした絵が該当するでしょう。
印象派の絵と限定せずに、眺めているだけで心が穏やかになれば、その絵がその方にとっての「ヒーリングアート」といえるでしょう。
1−1 鑑賞するアートの色で癒される
ほっとしたい時の色というのは、あなたの中で決まっていますか?快適な生活を促す色としては、白・ベージュ・クリーム色などの柔らかい色が適しています。
また、寒色系の色や中間色は、心に安定をもたらします。
このように、自分を取り巻く色で精神の安定を図ることから始めてみてください。
2 心理療法の一つであるアートセラピーとその効果
カウンセリングでも実際に使われているアートセラピーです。
アートを通して、心と心が通う・・そして、心の鎖がほぐれていくというようなことが、期待できるものなのです。
2−1 メンタルに優しく働きかける
うつ病をはじめ、適応障害や神経症、統合失調症などの様々な治療やケアに有効とされています。
アートセラピーは、自己表現がしやすいことと、精神的に不安定で言葉のコミュニケーションが取りにくい場合にも用いられる療法になります。
近年、取りざたされている、不登校や引きこもりの方にも大いに期待ができる手段だと言われています。
2−2 脳の活性化で若返る
手先をよく使う作業が多くなります。また、デザインを決める思考力や仕上がりのバランスを考えるなどの、クリエイティブなアレンジが必ず生じるものです。
あらゆる角度から脳に心地よい刺激を与えるのが、アートセラピーの特徴なのです。脳トレと同等の働きが期待でき、脳も鍛えらえます。
2−3 ストレスやPMSの緩和に有効
イライラや不安感などに苛まれて不快症状も多いPMS(月経前症候群)です。アートセラピーには、PMSを緩和する作用があると言われており、生理前の不安定なメンタルを落ち着けてくれます。
同様に、ストレスで気分が落ち込んでいる人にも有効です。ストレスを解消し、脳のリラックス効果を感じることができるでしょう。
3 癒しのアートに取り組んでみよう
ここに幾つかのアートセラピーをご紹介します。
3−1 パステルアート
パステルという優しい固形の画材を使います。絵が苦手な方でも簡単に描くことが可能で、絵心に依存しなくてもいいアートです。ですから、セルフイメージのアップにもつながります。
また、描いている過程で、自分に必要な色や自分の中にある感情が映し出されることもあります。
老若男女どなたでも楽しめるので、幼稚園・病院そして介護施設などの幅広い分野で活用されています。
3−2 塗り絵
近年、本屋さんの一角に「塗り絵コーナー」があります。大人の塗り絵というものが、たくさん並んでいます。
この塗り絵ですが、手軽にできるのに、リラクゼーション効果や脳トレ効果があるのです。
色を選んで塗ることは、脳が満遍なく、適度に刺激されて、ストレスが解消されることも実証済みです。
3−3 点描アート
最近は、睡眠に対する悩みを持つ方が増えています。この「眠れない」という心理的なプレッシャーを解消してくれるのが、点描アートなのです。主に点で、マンダラを描くというものが、よく見られます。
点を打っているうちに、深い瞑想の状態に入り、時の経つのさえ忘れてしまいます。ふと気づいてな眺めてみると、美しいアートが仕上がっているのです。
4 こんなアートセラピーもあります
アートセラピーの中でも、欧米にて、とてもポピュラーな技法の一つをご紹介します。
「フィンガーペイント」という言葉を聞いたことはありますか?
フィンガーペイントとは、その名の通りに、筆などの道具は使わずに、自分の指や手を使って絵を描くものになります。
これは、特別な経験や技術がなくても大丈夫です。いつでもどこでも誰でも自由に取り組むことができるのが、最大の魅力です。
4−1 フィンガーペイントの魅力
直接に指や手を使うので、五感が刺激されて、想像力が養われます。また、普段は禁止されている「モノを汚すことのへの欲求不満」が解消されるために、気持ちが安定する効果も見られています。
さらには、子様の心の奥底にある石やプレッシャーを解放する役割があり、心療内科やカウンセリングでも取り入れられることがあります。
4−2 フィンガーペインティングを楽しむには・・
準備はこんなに簡単なのです。
① 汚れてもよい服装にしておきましょう。
② 絵の具と小麦粉を用意しましょう。
4−3 フィンガーペイント用の絵の具の作り方
1、小麦粉と水を1対4割合でまぜて火にかけます。
2、とろとろになるまで温めたら、火を止めて冷ます。
3、2の中に水彩絵の具で色を付ければ完成!
5 まとめ
忙しいけれど、しっかり休めない・・・どうしたらいいのかわからない・・・そんな今を必死に生きている方にぴったりのアートセラピーです。
毎日頑張って描こうとしなくても良いのです。気持ちが向いた時に、描くのも良いですし、毎日、ほんの少しの時間取り組む習慣をつけるのも良いでしょう。
どちらにしても、色を楽しみ、形を楽しみ、それと関わっている時間を楽しむことが大切です。