からだに良いことを実践している方はたくさんいます。和食を中心に過ごしている方もいれば、「週に○回のスポーツジム」など、定期的なスポーツを欠かさない方も増えてきました。
それでも、病にかかる人はたくさんいます。反対に、何もしなくても元気な方もいます。この差は何なのでしょう?
少しのことを知ると、大きく変わるのが私たちの人生です。その「少し」の実践に結びつける方法が次にあるのです・・
1 自律神経のバランスを気にしてますか?
自律神経とは、意思とは関係なく働く神経です。例えば、心臓の動きや胃腸の動きなどの内臓の諸器官をコントロールしています。
自律神経には次の2つの神経があります。2つの神経は、拮抗して働いています。
交感神経が優位になると副交感神経の働きが抑えられ、副交感神経が優位になると交感神経の働きが抑えられます。
私達の体調は、この自律神経の働きによって、1日のメリハリのリズムがつきます。このメリハリをバランス良くつけていくことが、健やかなからだの前提となるのです。
1-1 交感神経の働き
「元気はつらつの体調」を作る神経です。
昼間の活動時や運動をしている時に優位になります。心臓の動きを早め、血管を収縮させて、血圧を上げます。また、消化器の働きをやめてからだを活動・興奮モードに整えます。
優位になっている時のからだは、元気いっぱいでやる気に満ちています。仕事をバリバリこなし、よくおしゃべりし、活動的です。この極限は、イライラしたり頭にきて怒った時になります。
1-2 副交感神経の働き
「ゆったりのんびり感」を作る神経です。
夜の休息の時間や食事を摂る時に優位になっていて、心身をリラックスさせます。心臓の拍動を緩やかにします。
このような状況にある時、血管が拡張して、血流が促させるので、からだがポカポカして温かくなります。また、細胞の分泌や排泄が促させるので、排便が促進されます。
優位になっている時のからだは、穏やかな気分で一人で音楽や読書を楽しんだりしてリラックスしたくなります。また。食事を美味しいと感じらます。この極限は、しょんぼりしてメランコリーな気分になります。
2 自律神経の乱れがサインでわかる
自律神経のバランスが乱れる際には、何らかのサインがあります。このサインに気づくことこそが、病気を引き寄せないポイントの一つでもあります。
2-1 交感神経の働きが過剰になるとやってくるサイン
- いつも疲れている
- いつも不安
- 夜眠れない
- イライラする
- 血圧が高め
- 血糖値が高め
- 肩こりがひどい
- 便秘が続く
2-2 副交感神経の働きが過剰になるとやってくるサイン
- やる気が起こらない
- 朝起きるのが億劫
- 人から言われたことが気になって仕方ない
- 少し動くだけで疲れる
- 小さなことにこだわる
3 病の引き寄せのきっかけ
とにかく、病を引き寄せないようにするのが一番です。この引き寄せる鍵となるのが過剰な「ストレス」です。
私達のからだは、ある程度のストレスにも耐えうる適応力を持っています。そして、適度なストレスは、交感神経を適度に働かせる原動力となりうるのです。ストレスにもプラスの側面があるということです。
そこで、自律神経のバランスを乱す3大ストレスは次の通りです。
3-1 働きすぎ
働きすぎで病気になる人のタイプは2つになります。
一つは、2~3か月の短い期間に無理を重ねた場合です。このタイプは、心疾患による突然死を招きやすくなります。くも膜下出血で倒れるのもこのタイプです。
二つ目は、5年、10年と長期にわたって過重労働を続けたタイプです。こちらは、ガンの罹患率が高くなります。
いずれのタイプも、交感神経の緊張が続くことで、副交感神経の戻しが起こりにくくなり、免疫力が低下します。
3-2 心の悩み
過度の交感神経の緊張を招きます。現代では、多くの方が対人関係のストレスを抱えていると言われます。
3-3 薬の長期使用
消炎鎮痛剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、抗アレルギー剤など、現代薬のほとんどは交感神経を刺激する作用があります。病気になっている状態そのものが、交感神経が緊張しています。薬を使うことで、緊張が上乗せされることになるのです。
4 自律神経のバランスを整えるケア
限りなくたくさんあるセルフケアの中でも、ぜひに取り入れたい5つです。
4-1 玄米を食してみましょう
精白したお米とは異なり、もみ米からもみがらを取り除いただけの玄米は、発芽するための栄養素をもれなく含んでいる完全食品です。
食物繊維・炭水化物・ビタミン・ミネラル・脂質など私達が生命維持をするために必要な栄養素が丸ごと含まれています。
免疫力を上げる意味では、玄米に勝るものはありません。しかし、胃腸の弱い方や病気の方にとっては、消化に負担がかかります。
そのような時は、五分づき米にしたり、白米に何割か玄米を混ぜるのも良いでしょう。
4-2 意識して深呼吸
呼吸は、自律神経が調整しています。息を吸う時は、交感神経が。吐く時は副交感神経が調整しています。
息をゆっくり吐き出すように意識すると、副交感神経を刺激することになります。
イライラして、頭が沸騰しそうになっている時や胸がドキドキしている時は、意識して深い呼吸ををしてみましょう。副交感神経が刺激されて、気持ちが落ち着きます。
4-3 感謝の気持ちを持てること
とある医師の方が、長年の診察で気づいたことです。
具合が悪い時に、誰でも心にゆとりを持つことは厳しくなります。
ここで「なんで・・・!」というような気持ちが一杯になり、楽しかったことやこれまでに関わってくれた人に対しての感謝の気持ちが飛んでしまうと、ささくれだった気持ちが過度に交感神経を刺激し、免疫力が低下し、病気が治りにくい状態になるのです。
自らに怒りや不安でいっぱいになることは、自然に治ろうとする力を削いでしまうことになるのです。
4-4 入浴時間をたっぷり摂る
入浴は、体温を上げて免疫力を高める点で、とても手軽な健康法です。お湯の温度は、体温プラス4℃にて設定してみましょう。最も「気持ちが良い」という温度です。
「気持ちが良い」という感じ方が、副交感神経を効果的に刺激するのです。
あなた自身が、体温がじんわり上がってくるのを感じることができると「病気は自分で治せる」という意欲さえ湧いてくるのを感じてみてください。
4-5 笑うこと
笑いは、万病を遠ざける・・・という言葉があります。
落語にお笑い番組などをたくさん見ることがお勧めです。笑いすぎると、涙や鼻水さえ出ることもあります。これは、副交感神経が刺激されて、排泄が促されているのです。
また、笑いは心とからだを緩めてくれます。どうしても笑えない時は、せめて口角だけでも上げてみましょう。脳が「笑っている・・・」と錯覚してくれます。
5 まとめ
いろいろなことが発展して便利になった世の中です。ちょっと調子が悪ければ、すぐに薬が手に入ります。しかし、あなた自身に備わった力をどうぞ信頼してみてください。あなたの「からだの声」に耳を傾けてみてください。
そこが「イライラ」から病を引き寄せないポイントでもあるのです。