自分に合う香りの見つけかた──季節と気分で選ぶ

白い花

すれ違ったあとに、ふっと香りが残る人がいます。顔は思い出せなくても、匂いのほうは覚えている。

自分にもそういう香りがあるだろうか、と考えたことはありませんか。

香りは、言葉より先にその人を伝えます。だから、自分に合うものをひとつ持っていると、思いのほか心強いのです。

1 香りを使う昔からの意味

人類が初めて文明を作り上げてきた時代から、進化してきたのが「香り」です。「香り」の持つ力というのは、古来より相当な力を持つものでありました。

一つは、権威を表す道具の一つとして、使われていました。遡ること古代エジプト時代になりますと、神への捧げ物や神に関わる儀式、神と通ずるためのアイテムとして使われていました。

もう一つは、死者への弔いや、病人への薬、ミイラの防腐剤として利用されてきました。また、異性への媚薬としても用いられていました。

1−1 人を魅了する香りauto_hQPiCM

世界三大美女の一人、クレオパトラの存在はご存知でしょう。絶世の美女と言われ、語学も堪能で、教養もあり、野生的で若々しい性格も持っていたと言われています。

シーザーやアントニウスを虜にした話は、有名ですが、彼女は美貌や才能だけで魅了したのではないと言われています。それは、彼女は、香りを巧みに利用していたのです。

中でも、ローマ政治の実権を握った、アントニウスに初めて近づく場面は有名です。

クレオパトラは、自分を乗せた船に大量の香料をつけ、その芳香をなんとナイルの両岸にまで漂わせて、自分の存在を強烈に印象付けていたということが残っています。

では、どんな香料を使っていたのでしょうか?実は、初めてアントニウスを自分に迎え入れた時は、室内にバラの花びらを厚さ46㎝も敷き詰めていたと言われています。

クレオパトラは、美貌・教養・香りの力でアントニウスを虜にし、彼の力を借りて、ついにエジプトの女王に上り詰めました。そのクレオパトラの使った香料は、今の金額でいうと20万円相当を使っていたということが伝わっています。

1−2 幸せをもたらすバラの香りとその作用20141217_108c9c

紀元前より、人々の心を掴んできたバラの香りは、今も尊い香りとして親しまれています。このバラは、主にブルガリアで栽培されています。

このバラから抽出される精油は、約4㎏のバラの花から、ほんの1gしか抽出されません。

このバラは、人の手で手摘みされているものになります。その様子を想像すると、バラの1gに対する気持ちや尊さを改めて実感するものです。

ハチミツのような広がる甘さと奥深さのある香りは、「幸福感」をもたらす香りとして知られています。
緊張している時や、ストレスがかかっている心とからだのコントロールに使われます。

また、よく眠れないというような時にも、優しく眠りに誘ってくれる香りでもあります。花であるだけに、女性との親和性も高く、女性のあらゆる不調のコントロールに役立ちます。

2 季節によって選ぶといい香りがある

毎年、最高気温が30℃を超えてくると、常に発汗を感じることになります。こうなると、いつもは香りを身につけない方も、なんとなく香りを気にするようになります。

ここに、合成香料のコロンをつけよう・・・とした時、なんとなくイメージと違う香りに感じたことはないでしょうか?

発汗とは、人の体内の毒素を外に出そうとする「浄化」の働きの一つです。その汗には、体内の毒素や油、汚れも含まれてきます。

ここに合成香料のコロン等で、ごまかそうとするのは、良い香りを楽しむこととは違ってきてしまいます。汗をかいたら、無香料の汗拭きシートなどで拭いてから天然素材のコロンをつけてみることをおすすめします。

2−1 夏の香りのセレクトの仕方

汗の匂いが気になる季節です。そうなると、デオドラントの作用のあるものを使うのがお勧めです。

巷に出回っている、デオドラント製品も機能的で良いものですが、自然界の成分を生かした精油が主体のコロンを作ってみることもお勧めです。

何と言っても、抗菌性や抗ウイルス性が高いこともおすすめできる点の一つです。では、汗の気になる季節はどんな香りが良いでしょうか?

例えば、レモングラス・パチュリ・ベルガモット・シダーウッド・ラベンダー・グレープフルーツ・ペパーミントなどがおすすめです。

この香りの中から精油を選んで、コロンを作り、身につけたなら、あなた自身だけでなく、あなたの周りの方もいい気分になることは、間違いありません。

3 気分によって選ぶと良い香り

毎日頑張って生きている私たちです。たくさんのストレスにさらされることも、少なくはないでしょう。

年度の切り替わる時には、たいていの方が、不定愁訴とも言われる「なんとなく、調子が良くない・・・」というような状況にあるのです。

そのような状態にある方を助けるのが、天然香料(精油)のみのコロンです。前述した夏にオススメできるコロンなどを作成してみるのも、とてもおすすめです。

年度の切り替わりであれば、きっと頭が疲れていて、エネルギーは頭部や肩のあたりにとどまっていることでしょう。そんな状況の時は、呼吸も浅くなっているのです。

呼吸器系が楽になるように、ローズマリー・プチグレン・ペパーミント・サイプレス・フランキンセンスなどを使ってみることをおすすめします。風が吹いているわけではないのに、優しく涼しい空気が流れるのを感じることができます。

4 まとめ

身につけている香りが、自分を表している。そう感じることがあると思います。周りの人は、顔や声と一緒に、香りであなたを覚えています。

だから、流行りに合わせて選ばなくていいのです。売り場でいちばん人気のものより、自分が嘆いだときに肩の力が抜けるもののほうが、長く続きます。

選びかたに迷ったら、森の木の香りからはじめてみてください。ヒノキ、杉、クロモジ。どれも昔からこの土地にあって、日本人が嘆ぎ慣れてきた香りです。強く主張しないぶん、自分の匂いと喧嘩しません。

そういう時間のつくりかたを、林浴(りんよく)と呼んでいます。

→ 林浴とは──森が、大人の保健室になる

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そんな日々に、週に一度だけ、短い手紙をお送りしています。

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komorebi 林浴ライフデザイナー 西川えりこ